カンボジアには「リエル」という現地通貨がありますが、実態は完全なUSドル経済です。値段の表示は基本的にUSドル表示です。
USドル紙幣が普通に流通していますが、アメリカのコイン(セント)は使えません。仮にお店で1.5ドルの買物をする場合、ドルではおつりが出ません。2ドルを渡すと0.5ドル分として2000リエルが渡されます(1ドル=4000リエルです)。
リエルにも硬貨はありませんので、カンボジアでは小銭入れは不要です!
❏カンボジアの銀行
❏銀行口座の開設
今回、PPCBとアシレダ銀行の2行に口座開設を行ってみました。まず、PPCBについてレポートします。PPCBは、プノンペン一の高層ビル「プノンペンタワー」内にジャパンデスクがあります。日本人の若い女性が行員として常駐しており、手続はすべて彼女が行ってくれますので、言葉の心配は要りません。ちなみに日本語のHPもあります。口座開設に必要なものはパスポートのみです。写真も要るようでしたが、その場で撮影してもらいました。
口座の種類は普通預金と定期預金。普通預金は100ドル、定期預金は500ドルが最低預入金額です。普通預金の利率は年1.2%です。定期預金は期間によって利率が異なりますが、1年定期だと年6.0%です。自動継続にしておけば、1年後に元本+金利で新たな定期に書き換えられますので、複利で増えていくことになります。金利を受け取って同額の元本を継続することも選択できます。ただし、金利から源泉税(非居住者の場合14%)が控除されますので、実質手取りは年5.16%ですね。
次に、アシレダ銀行についてレポートします。
アシレダ銀行は、国内最大手だけあって、支店も400ほどあるそうです。今回は、現地でコンサル業を営むSARYさんの案内で、彼が懇意の支店を訪問しました。アシレダ銀行の場合、非居住者の口座開設のハードルはPPCBに比べて高いです。現地住所の証明などを求められます。今回はSARYさんの事務所を登録住所とさせていただきました。1年定期の利率は年5%です。口座開設は10ドルから可能です。店舗数も多いので、現地での生活口座として利用する場合には利便性は高いと思いますが、単なる貯蓄目的であれば、日本語が通じないことによる手続のわかりにくさや煩雑さを考慮すれば、まずはPPCBのほうがお勧めの感じですね。
普通、発展途上国の金利が先進国に比べて相対的に高いことは容易に理解できます。カンボジアにおいて、「レアル」の金利が高いと言われれば特に疑問は感じません。ではなぜUSドルの金利も高いのでしょうか。これは冒頭にも記載したように、カンボジアの経済がUSドル経済だからです。カンボジアでは、通貨の流通量の80%以上がUSドルだと言われています。当然、銀行の調達も殆どがドル建てです。カンボジア人の貯蓄性向は低く、高金利を付けないと預金が集まらないので、必然的にレアルに加えてUSドルにも高金利を付けざるを得ない、というのが実態のようです。但し、私が調べたところ、カンボジアの銀行すべてが高金利であるわけではありません。アシレダ銀行の起源はマイクロファイナンスのNGOである、ということもあり、恐らく運用は小口、高金利の債権と思われます。高い金利で運用できる銀行は、相対的に高い金利を付けてでも預金を調達したい、という意図が働くのだと思います。
カンボジアの銀行預金の安全性はどうでしょうか。当然、USドル建てであれば、為替リスクは新興国通貨に比べると格段に低いし、流動性も全く心配ありません。問題は、カンボジアのカントリーリスクですね。銀行が倒産した場合、日本のように預金保険は効きません。
❏次回に向けて
BFCA経営財務支援協会では、今回の体験を基に、カンボジアにおける銀行口座開設サポート&資産運用アドバイスプログラム(有償)を策定し、現地への渡航を当面、年2回程度行う予定です。今回の視察に予定が合わなかった方、高金利の資金運用に興味がある方、奮ってのご参加お待ちしております。
❏番外
❏視察レポート動画化 (Youtube)