過去のメールマガジンNo.1~10
BFCA経営財務支援協会では、ご希望の方へメールマガジンを配信しております。
このページは、メールマガジンNo.1~10のアーカイブとなっています。
 

◆執筆者紹介◆

山本広高
(BFCA経営財務支援協会 取締役)
群馬大学工学部大学院卒業後渡米し、フロリダ国際大学にてMBA取得。
外資系コンサルティング会社にてERP導入などITコンサルティングに従事。
退職後、経営財務支援協会取締役、株式会社THINCESS代表取締役に就任。
大企業から中小零細企業まで規模、業種を問わず、事業計画策定や、
サービス開発のプロジェクトに携わっている。

望月徹
大手金融機関で法人融資部門、企画調査部門、業務開発部門等を経験。
この間、中央官庁、米銀本店勤務の出向経験もある。
大手金融機関を辞した後、総合商社系コンサルティング会社で事業成長支援、
事業開発支援に取組み、現在は、事業再生や事業成長支援のコンサルティング活動に従事。
CFPR、日本証券アナリスト協会検定会員、行政書士、宅地建物取引主任者。

■信用保証の責任共有について■ vol.010   2014/6/6 
 執筆者 望月 徹
 
金融機関が融資する際に、信用力・担保力の不足している中小企業の資金供給を円滑化するため信用保証協会(全国に52か所)による信用保証制度がある。信用保証融資を受けている企業の全中小企業(小規模企業を含む)に占める割合は約37%で、信用保証の存在感がわかる(全国、14年3月末)。
 
信用保証では、万一、融資を受けている中小企業が債務不履行に陥る場合は、当該企業に代わって金融機関に返済する(これを代位弁済と呼ぶ)。制度的には、8割を信用保証協会がリスク負担し、残り2割を金融機関がリスク負担するのが原則である(2割の責任共有)。
 
しかし、リーマンショック以降の景気悪化を背景に、セーフティーネット資金が典型であるが、返済を100%保証する特例措置が対象業種を拡大して続いてきた。
 
このため、融資の場面では、「信用保証融資なら融資する」のを常態化する等のモラルハザードが起こっていた面もある。行政が財源負担するものであり、デフレの脱却に伴い、全額保証の対象業種を大幅に縮小する政策動向、また、保証率の原則を80%からさらに引き下げる案が出てきている。
そこで、複数の地域金融機関支店長にヒアリングしたが、保証率が下がっても、従来のスタンスを維持する、というのが共通の意向である。借りにくくなる、貸し渋りが起きる懸念が少ないように思われる。
 
ただ、30億円以上の年商で、財務内容が良好な中小企業群にはメガバンク、地銀を中心にプロパー融資の営業アプローチが活発化している一方で、それ以外の中小企業には信用保証や担保を求めるのは変わらない。
 
中小企業の資金調達力は格差が広がってきているのが現場実感である。

■政府の施策と実情■ vol.009   2014/5/23
 執筆者 山本広高
 
以前のメルマガでもご紹介しました通り「経営者保証に関するガイドライン」
(以下、「ガイドライン」)が、今年2月から運用開始されました。
 
中小企業庁のWebによるとガイドラインの概容は、
 
経営者保証に関するガイドラインは、経営者の個人保証について、
(1)法人と個人が明確に分離されている場合などに、経営者の個人保証を求めないこと
(2)多額の個人保証を行っていても、早期に事業再生や廃業を決断した際に一定の生活費等
   (従来の自由財産99万円に加え、年齢等に応じて100万円~360万円)を残すことや、
   「華美でない」自宅に住み続けられることなどを検討すること
(3)保証債務の履行時に返済しきれない債務残額は原則として免除すること
 
などを定めることにより、経営者保証の弊害を解消し、経営者による思い切った事業展開や、早期事業再生等を応援します。第三者保証人についても、上記(2),(3)については経営者本人と同様の取扱となります、とされています。
 
これを受けて、巷では「債務不履行の連帯保証者でも華美でない自宅や生活資金400万円程度は残せる」と解釈している、方が少なくないようです。ガイドラインの趣旨は、中小企業が債務超過に陥って保証債務を整理する際、条件付きではありますが、「中小企業経営者の個人財産の全額を没収しない」という指針です。経営者の住居がなくなったり、経営者の家族の生活が困窮したのでは、事業に集中できない、ということへの配慮と考えられます。
 
しかし、この巷の噂を信じて、安易に債務不履行をして良いわけではありません。実際に今年になってから相談を受けた事業者であっても「妻の給与口座は押さえられ、自宅は競売に掛けられそうだ」という状況のようです。
 
また「ガイドライン」には、「中小企業経営者が連帯保証人にならなくても融資を受けられる」と記載されている、という解釈もあります。しかし、実態はどうでしょうか。
 
確かに、無担保無保証が認められている融資もあるようです。但しそれは新たな融資であり、これまでよりも金利等の厳しい条件の融資です。これまでの融資に関して連帯保証を外してもらえる制度は表向きはありません。
 
経営者や経営指導者は、ガイドラインの存在と活用法について理解を進める必要はありますが、これまでと同様に、経営を悪化させないために経営管理を正しく行い、環境の中で窮境に陥った場合は、財務的な緊急対応を施し、中長期的にはPLを改善しCF(キャッシュフロー)を正常化します。
経営に手品的な変化(へんげ)やPCのショートカットのような手法はあり得ないと心得て、日々頑張りたいと思います。

■農商工連携の活用について■ vol.008   2014/5/9
執筆者 望月 徹
 
会員各位も言葉としてはよくご存じの農商工連携がある。これは経産省と農水省が連携して施策を講じているものである。
 
定義は、「農林漁業者と商工業者等が通常の商取引関係を超えて協力し、お互いの強みを活かして売れる新商品・新サービスの開発、生産等を行い、需要の開拓を行うこと」(中小企業者と農林漁業者の連携による事業活動の促進に関する法律)。
 
したがって、農商工連携の支援を受けるためには中小企業者と農業者が共同で申請することを前提としている。
 
両者が連携して、「新商品・新サービスの開発等」を行う事業であることが求められ、ものづくり補助金等経産省関連の中小企業施策と気脈は通じている。
 
何も特殊なものではないという認識が必要である。活用できるということである。
 
助成金採択はハードルが高いが、中小企業信用保険の農商工連携認定枠が一般枠とは別枠で同額(最大80百万円)認められていることは案外知られていない。
 
少子高齢化、人口減少社会の中で成長が期待される数少ない分野の一つである農業とどう絡めていくかの視点を持てば本業の鈍化を補うに足る新規事業を創造することも可能であろう。
 
各会員においては、①現にある施策の活用ができないかの視点、②施策拡充ないし新規施策への情報収集の視点、③中小企業の出口論としての農商工連携の視点を持ってぜひお取り組み願いたい。

■国が後押ししている今こそ創業■ vol.007   2014/4/25
 執筆者 山本広高
 
2013年は株価も上昇し、アベノミクスは一定の成功を収めました。
一方で、新たな成長戦略「日本再興戦略-JAPAN is BACK-」の中の「開業率・廃業率」についての記載に関しては統計が発表されていません。おそらく未達であったと想像します。
 
「(産業の新陳代謝を促すことで、開業率が廃業率を上回る状態にし)開業率・廃業率が米国・英国レベル(10%)台になることを目指す」
 
2012年に出された中小企業庁の統計によれば、2004-2006において、開業率5.1%、廃業率6.2%、その差は138,962社です。単純計算で4万社以上が毎年減っている計算になります。
 
たとえ、廃業率が8%になったとしても、開業率が10%になれば、確かに経済の新陳代謝が進みます。そのため、国は今、様々な支援を行っています。
 
①創業促進事業
(1)補助対象者
起業・創業や第二創業を行う個人、中小企業・小規模事業者等の皆様向けに国が認定する専門家などの助言機関(認定支援機関たる金融機関等)と一緒に取り組んでいただきます。
 
(2)補助内容
 弁護士、弁理士などの専門家との顧問契約のための費用や広告費等、創業及び販路開拓に必要な経費に対して以下の補助率、補助上限額に基づき補助を行います。
 
創業・第二創業:200万円(補助率:3分の2)
 
(3)公募期間
平成26年2月28日(金曜)~平成26年6月30日(月曜)17時【当日必着】
 
昨年、経営財務支援協会も2件の支援を行い、2件共に補助金を獲得しました。
事業計画の書き方はコツがあります。経験豊かな認定支援機関の皆様には是非創業者にお力添えをいただきたいと思います。もちろん当社でも承ります。
 
②政策金融公庫の創業融資
(1)新規開業資金
<ご利用いただける方>
1.現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方で、次のいずれかに該当する方
    (1)現在お勤めの企業に継続して6年以上お勤めの方
    (2)現在お勤めの企業と同じ業種に通算して6年以上お勤めの方
2.大学等で修得した技能等と密接に関連した職種に継続して2年以上お勤めの方で、
  その職種と密接に関連した業種の事業を始める方
3.技術やサービス等に工夫を加え多様なニーズに対応する事業を始める方
4.雇用の創出を伴う事業を始める方
5.1~4のいずれかを満たして事業を始めた方で事業開始後おおむね7年以内の方
<融資限度額>
7,200万円(うち運転資金4,800万円)
<金利>
2.20~2.80%
 
(2)中小企業経営力強化資金
<ご利用いただける方>
1.経営革新又は異分野の中小企業と連携した新事業分野の開拓等により
  市場の創出・開拓(新規開業を行う場合を含む。)を行おうとする方
2.自ら事業計画の策定を行い、中小企業の新たな事業活動の促進に関する
  法律に定める認定経営革新等支援機関による指導及び助言を受けている方
 
<融資限度額>
7,200万円(うち運転資金4,800万円)
<金利>
1.00~1.60%
 
特に中小企業経営力強化資金は非常に金利も低いため、是非利用したい融資制度です。これは創業だけでなく、既存事業でも新たな商品・サービスを開発するための資金として利用できます。例えば新商品を開発される方は、ものづくり補助金の獲得と並行し、補助金が出るまでのつなぎ融資として活用するのが効果的です。
 
創業には、行政書士に手続きをお願いする、印鑑、ホームページ、名刺、社内案内などを作成する、といったことから事務所の賃貸、事務用品購入、銀行口座開設など、事業を進めるに当たり、様々な購買活動が生じます。
つまり、銀行に預けてあるだけのお金が市場に出てくるのです。その経済活動が1社当たり300万円で、仮に10,000社が創業すれば、300億の経済効果です。この経済活動が連鎖するとしたらその数倍に
なるといえるでしょう。
 
ある目的・目標を持ち、高い理念を掲げて事業を始めることは、社会への貢献だけでなく、日本経済への貢献でもあります。当メールの読者である様々な分野の先生方には、ぜひ創業希望者への支援をいただきたく存じます。

■消費増税の影響■ vol.006   2014/4/11 
 執筆者 山本広高
 
消費税は1989年に3%が設定され、1997年には3%から5%になりました。
そして今回は8%、実に17年ぶりの増税です。
 
消費税は、特に年金・医療・介護・少子化対策などの社会福祉分野に使われるお金として定義されていますが、消費税増税で得られる税収に対する今後の国の具体的な施策に関しては、皆さんも一消費者として気になるところだと思います。
 
第一生命経済研究所によれば、以下のように家計への負担が増えると試算されています。
 
<年収>     <負担増額/年>
年収250万未満   5万5349円
年収300万     5万7890円
年収400万     6万4999円
年収500万     7万3691円
年収600万     8万8388円
年収700万     9万4993円
年収800万     9万9819円
年収900万     10万1664円
年収1000万     11万4118円
年収1500万    16万2083円
 
この数字を見るだけでも、家計が圧迫されることによる消費の減少は予想に難くありません。特に、企業の99%を占める中小企業の経営者や従業員は、未だ景気回復の実感を持てていないというニュースを度々目にします。また「駆け込み需要」の反動もあるでしょう。
このような状況に伴う景気への影響がどれほどになるのか、リサーチ結果をぜひ見たいものです。
 
消費者の購買が減少すれば、当然その影響は企業に向かいます。
時々行く小売店や飲食店などはそれぞれ、セット売りキャンペーンを行ったり、価格の表示に工夫を凝らしたりして、増税後の価格表示はきちんとしつつも値上がり感を少なくする努力をしています。
 
さて、消費税の増税による景気の冷え込みを考慮し、政府は企業に対して様々な減税措置を行っています。特に注目すべきは、生産性の高い設備投資をした企業には「設備投資減税」が得られるという施策です。さらに、政府としては、減税したことによる浮いた資金を賃上げに使ってほしい、という意図があります。
 
ですが、残念ながら多くの企業にとって、そのシナリオは現実的とは言えないでしょう。
企業において賃金を上げる状況が発生するのは、その対象の人物が成果を上げた場合に他なりません。つまり「減税するから賃上げすべし」という政府が描いたストーリーは成り立たないのです。そもそも消費税の増税によって、4月以降の消費が増えないことを予想できるため、今設備投資することのリスクを考えると二の足を踏んでしまいがちになるのではないでしょうか。
 
ただ、この時期に新たな事業を立ち上げる、サービスを立ち上げるような新興企業にとって、減税処置はまたとないチャンスと言えます。アベノミクスに乗じて、将来に繋げる資産を持つ時期となるでしょう。前々号では補助金についてご紹介しましたが、特に政府が後押ししている健康・環境・エネルギーの分野に新たな商品の投入やサービスの立上げをを行うことは時代の潮流に乗るものです。
 
消費税の増税自体は、中小企業や個人事業主が自力で何ともできないものです。それにめげず、減税措置や補助金といった国の打ち出す施策を根こそぎ利用するぐらいの勢いを持って、新たな事業を立ち上げる前向きな考え方で障壁を乗り越えていただきたいものです。
 
そのためにも、BFCA経営財務支援協会のネットワークをますます活性化させ、お客様の要望に丁寧にお応えしていきたいと考えています。


■経営とIT■ vol.005   2014/3/31
執筆者 山本広高
 
コンピュータが生まれてからずっと事業の効率化にはITが必要不可欠だと言われ続けています。
大手企業のように日々の業務量が多い場合には各種管理システム(販売管理、顧客管理、会計システム等)導入によるメリットが大きいと言えるでしょう。
しかし、多くの中小企業はその恩恵を得ていないのが実状です。
 
それでも、ここ10年において、IT業界における価格競争は激化し、様々なサービスが非常に低価格で提供されるようになりました。例えば、下記のようなものが挙げられます。
 
①データのバックアップ:
クラウドの利用による低価格データ保管
 
②会計ソフト:
銀行口座やカード履歴との連携による効率化が進んでいます。
 
③顧客管理(CRM):
見込み⇒顧客までのアプローチを管理したり、一斉メール配信ができる仕組みがあります。
 
④ERP
購買管理、在庫管理、販売管理、生産管理、会計管理、顧客管理など、一連の業務機能が既に実装されている、パッケージであるERPも価格の低下が著しいです。
 
 
経営とITは、実は非常に密接な関係があると私は考えますが、実際には”効率化”が進んでいない事業者が多いように感じます。
 
単に必要だからパッケージを入れた、というのではなく、“使いこなす”という観点で再考されるとよいと思います。特に、これまで億単位の投資が必要だったERPの導入は2ケタくらい下がり、導入が可能になってきています。
クラウドであれば月10万円から、というサービスも存在します。売上が10億~100億くらいの企業で最も煩雑になりがちなのが受発注と経理の部分です。ERPを導入することで、この部分の工数を減らすことができれば、他の業務にリソースを割り当てることが可能になります。
 
“ところで、現状、今月幾ら儲かっているの?見込みはどう?”という質問をして、経理担当から出てくる数字と営業担当から出てくる数字が違っていたりすることが、ままあります。こういった情報の正確さ、一元化を徹底するためにも、ERPの導入は価値があるものだと考えます。
また、M&Aの現場では、ERPを導入していることが企業価値を向上させる一因となる場合もありますので、そういった面からも検討の余地があるのではないでしょうか。
 
今一度、自社のIT環境(インフラ)を戦略的に見直されることをお勧めします。
 

■ものづくり補助金獲得のツボ■ vol.004   2014/3/14 
執筆者 山本広高 
 
2月17日からものづくり補助金の公募が始まっています。
一次締め切りが3月14日、二次締切が5月14日ですが、BFCAでも数社支援させて頂いています。
 
申請の要件は以下のサイトに詳細が記載されていますので、ここでは”補助金獲得のツボ”をご紹介したいと思います。
 
読者の方々も何か商品を購入する場合、類似商品を比較して、優劣を付けることがあると思います。テレビの購入であれば、サイズ、色、節電能力などをを比較したことがあるでしょう。
 
補助金の審査員も基本的には同じスタンスで評価しています。
評価項目も非常に明確で、以下の通りです。※一部抜粋
 
「公募要領:表2 審査項目 P.18」
<技術面>
①新製品・新技術・新サービスの革新的な開発となっているか。
②補助事業の目標に対する達成度の考え方を明確に設定しているか。
③技術的課題の解決方法が明確かつ妥当であり、優位性が見込まれるか。
④補助事業実施のための体制及び技術的能力が備わっているか。
 
<事業化面>
①事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)や最近の財務状況等から、
補助事業が適切に遂行できると期待できるか。
②事業化に向けて、市場ニーズを考慮するとともに、補助事業の成果の
事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が明確か。
③補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有し、
かつ、事業化に至るまでの遂行方法及びスケジュールが妥当か。
④補助事業として費用対効果が高いか。
 
<政策面>
①厳しい内外環境の中にあって新たな活路を見いだす企業として、
他の企業のモデルとなるとともに、国の方針と整合性を持ち、
地域経済と雇用の支援につながることが期待できる計画であるか。
②金融機関等からの十分な資金の調達が見込めるか。
③中小企業・小規模事業者の競争力強化につながる経営資源の蓄積につながるものであるか。
④中小企業の会計に関する基本要領」に沿った会計書類を添付しているか。
 
ポイントは、事業計画の記載でこれらの評価軸に正しく回答しているか?という点です。
申請者は事業計画を作成したら、それぞれの評価軸を10点満点として、自己採点してみてください。
 
そこで、0点となった項目(記載がない項目)については、本文に記載する、もしくは添付資料に記載し、本文中に添付資料に記載している旨を書きます。
 
点数が低い部分に関しては、”嘘は記載せずに話を膨らませて”記載します。
例えば、市場がありそうだけれども、まだどこにもアプローチしていない場合、その商品への興味の有無をヒアリング中であることを記載します。実際には、反応があるかないか別として、数社へメールを出しておきます。
その社名をリストにして記載します。
 
これまでの既存技術と何が違うのか、何が革新的なのか、どんな課題を解決するのか、これが最も評価されるポイントです。小学生に説明するように、”分かりやすく”、”簡潔に”、記載するよう気を付けて下さい。ものづくりは特に、自社の素晴らしい技術力を書きたくなります。
そこをぐっと押さえて、市場について、また、革新的なポイントは何か、など、全体としてバランスよく記載して下さい。このポイントを押さえれば補助金獲得確率が上がることは間違いありません。
 
ばらまきと言われがちな補助金ですが、中小企業の皆様には是非補助金を獲得することで商品開発を実現してほしいと思います。

■経営者保証に関するガイドライン■ vol.003   2014/2/28
執筆者 BFCA経営財務支援協会 
 
コンサルタントの皆様はすでにご存じだと思いますが、「経営者保証に関するガイドライン」が2014年2月より運用開始されています。
以下、中小企業庁のHP(http://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/keieihosyou/)より
 
要約すると、
①「社長の個人補償がなければ“お金を貸さない”」というルールを条件次第では緩和すること
②個人補償の範囲であっても、生活費等(従来の自由財産99万円+最大360万円)や「華美でない」自宅を残すこと
③保証債務の履行時に返済しきれない債務残額は原則として免除すること
の3つが大きな柱です。
 
①に関して、これまで日本の金融機関は常に融資を行う場合、経営者の個人補償を求めていました。
しかし、それが緩和される方向にあることを明示しています。但し、実態はクリアすべき条件が幾つもあり、厳しいようです。それでも、大きな流れとして、悪名高い連帯保証を必要としない融資も増えつつあります。融資に関しては、今、仕組み自体が変革の時期にあると言えるでしょう。
 
②に関して、「自宅を残せる」、「生活費を残せる」というのは非常に大きな変化です。
店舗兼自宅にしている事業者や、事業承継を検討している場合など、生活維持に自宅が残るというのは非常に評価できる点です。また、生活費を残すことで、再チャレンジの機会が生まれます。
 
③に関して、ガイドラインには、「対象債権者は一時停止等の要請に対して誠実かつ柔軟に対応するように努めること。」と規定されています。
つまり、不正な経理を行っている場合にはその範囲ではありませんよ、とのことです。事業再生が必要な企業はどこかコンプライアンス上で問題を抱えがちですが、事業継続が厳しくなったとしても、不正な経理をしていれば、債務残額の免除を受けられないことがあり得ることを意味しています。
 
さて、このガイドラインが掲示された背景を考えたいと思います。
これまで、金融円滑化法の終焉と共に破綻する企業が増え、経済の鈍化が進むと言われてきました。いざ蓋を開けても、それほど大きな変化は現状ありません。安倍政権はソフトランディングにある程度成功したと言えるでしょう。
 
そこに来て、当ガイドラインです。これは明らかにソフトランディングしているものの、「生かすべき事業と市場から撤退させる事業の選別をするよ、でも、再出発できるように支援はします」という意思に思えてなりません。
 
企業に新陳代謝を促し、活性化させる施策を打ってきていると読み解けるでしょう。廃業しても新たに事業を立ち上げることを推奨しています。
我々コンサルタントはこの政府の施策から、事業を再生する方向と、創業を支援する方向の2軸で活躍しなければならないと感じています。

■JSKの武将達■ vol.002   2014/2/14 
執筆者 山本広高
 
大河ドラマで黒田官兵衛が始まりました。
個人的に戦国時代は好きな方で(幕末も面白いですね)、黒田官兵衛は好きな武将の一人です。
 
秀吉の側で天下統一を支援した軍師であり、タイミングが合えば自身も天下統一ができたと呼ばれるくらいの才能の持ち主だったと言われています。
 
彼は軍師と呼ばれていますが、特徴は現場主義者であった点です。武将として、城主として、城造りの名人として、その活躍は今でも語り継がれています。しばしば竹中半兵衛と比較されますが、竹中半兵衛は知略派です。
稲葉山城をわずか16名で攻略したといった、本当!?と思うような逸話が残っています。
 
JSK事業再生研究会の会員の皆様にも、大きく分けて2種類の方々がいらっしゃいます。
一方には竹中半兵衛のような、軍師と呼ぶよりは、企業の参謀として活躍する士業の方々。
また、もう一方には黒田官兵衛のように、武将自らとなって現場に入り込むハンズオンのコンサルを行うスタイルを得意とする方々。
 
どちらが優れているか、どちらが良いかではなく、両方が存在することで相乗効果を生みます。事業再生のプロジェクトの状態や、必要とされる時期によって、活躍の場が異なるからです。
黒田官兵衛と竹中半兵衛、共に世に名を轟かせた2名のように、会員の皆様個人の得意分野を生かし、ぜひ協業して事業再生プロジェクトを一層推進いただきたいと思います。
 
そのために、JSKネットワークを最大限活用していただけるよう、当協会も、会員様同士をつなぐ架け橋となり、研究会の運営や情報発信に取り組んでいきます。

■縮小する市場で戦う企業■ vol.001   2014/1/29 
執筆者 山本広高 
 
 
この40年間で焼酎人気や、ハイボール人気に負けて日本酒の市場規模は三分の一にまで縮小してしまいました。そんな中、目覚ましい急成長しているのが山口県に位置する旭酒造の純米大吟醸「獺祭」(だっさい)シリーズです。うまい、安い!でも手に入りづらい、というので昨今では売り切れ続出の銘柄です。
 
この獺祭を販売する旭酒造社長 桜井博志氏がテレビ東京のカンブリア宮殿に出演され、その苦労や、事業の再生について、熱く語ってらっしゃいましたので、ご紹介します。
 
桜井社長は1984年、父の急逝により34歳で酒蔵を継ぎました。地ビール工場の建設、様々な商品開発をするも販売は厳しく、多額の借金を背負いました。そんな厳しい状況の中で開発したのが純米大吟醸の獺祭シリーズです。瞬く間に人気を得て、事業として復活することができました。
 
カンブリア宮殿で紹介されていたポイントはもちろん重要ですが、それを少し異なる切り口で見てみました。
 
①高品質低価格 ⇒ 高品質中価格 への転換
獺祭は当時としては破格の4合瓶で約1250円(純米大吟醸酒)で売り出しました。お酒を知っている方ならこの値段の破壊力がすごいものだと気付くと思います。
しかし、獺祭のすごいところは、圧倒的な低価格路線を走り出したと思いきや、その後、徐々に新商品のリリースと共に値上げを行っています。皆がおいしいと感じれば、その市場に合わせた価格設定にする、それでも一般よりも安い、うまい、このバランスが絶妙です。
 
②業務の標準化による、社員誰もが作れるお酒への転換
日本酒は本来、杜氏と蔵人たちの職人集団によって製造されます。
しかし、以前と異なり、獺祭は杜氏が作らず、社員が作ります。この意味は非常に大きい。分業体制から、多能工への転換に他なりません。
温度管理、湿度管理、酵母の調整など、あらゆるデータを共有する仕組みが出来上がります。何より、自分たちが作るお酒というものに対する意識が違う。必然的に自社商品に対する愛着も強くなります。
企業の姿勢に惹かれて従業員も増え続けています。
 
③どぶ板営業 ⇒ パラシュート営業
獺祭は山口という小さな消費地ではボリュームが出ないため、東京に出てきて社長自ら飲食店や、酒屋を回り営業をしてきました。そうしたどぶ板営業が、今は海外進出においては、パリの一等地に位置する日本食レストランで楽しめるという、異なる戦略を用いています。
「安くて美味しい」、から海外では「高級で美味しい」もの。
もしかしたら国のバックアップもあるかもしれませんが、確実に戦略を変えていることがうかがえます。
 
企業体として、生き延びることができているのは「時代の変化」を読み取り、「時代と共に変革」する商品の開発、組織の構築に他なりません。
 
獺祭は今も進化を続けています。
お店で見かけたらこんなストーリーを思い出しながら楽しんで見てください。
 
 
<参考HP>